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 『ビリンバウ入門  Bê-a-bá do Berimbau




Eu vou ler o bê-a-bá

基本について語ろう

Bê-a-bá do berimbau ビリンバウの基本について
A cabaça e o caxixi カバッサとカシシ
E um pedaço de pau それから1本の木の棒
A moeda e o arame, colega velho コインと針金
Ai está um berimbau これでビリンバウのできあがり
Berimbau é um instrumento ビリンバウは楽器
Que toca numa corda só 一本の弦で鳴らす楽器だ
Vai tocar São Bento Grande サン・ベント・グランジを弾け
Toca Angola em som maior 大きな音でアンゴラを弾け
Eu agora acabei de ver, colega velho たった今見たばかりだ、友よ
Berimbau é o maior, camará ビリンバウの偉大さを

 針金を張った木の棒にひょうたんが括りつけられているだけというシンプルな楽器、ビリンバウ。今日ではブラジルのダンス的格闘技カポエイラの世界的な普及に伴い、その伴奏を司るビリンバウも広く知られるようになりました。
その愛らしい見かけとは裏腹に、ビリンバウの音色にはどこか物悲しさが漂います。それがひとたびカポエイリスタの手にかかると、その単純な構造からは想像できない豊かな表現力を吹き込まれ、戦闘ダンスの踊り手たちにエネルギーを送るのです。


 このサイトの目的は、その歴史から演奏法まで、ビリンバウの全体像を概説しようというところにあります。タイトルに使った「bê-a-bá」というのは、日本語で言う「いろは」、英語で言う「ABC」のようなもので、「物事の初歩、基本事項」という意味です。


 私はカポエイラ・ショップ ビリンバウというネットショップでビリンバウの制作・販売をしていますが、最近はカポエイラをしていないという方からの注文が少しずつ増えてきました。当初はほぼ100%カポエイリスタでしたので、弦の張り方やチューニングの仕方など詳しい説明はそれぞれのグループの先生に聞けばいいだろう程度に考えていましたが、そろそろそんな怠けた考えも通用しない状況になってきたようです。こんな事情もこのサイトをまとめようと思った動機のひとつです。


 第T部の理論編では、ビリンバウに関する基本的な情報をまとめました。とくに歴史に関する記述は、ブラジルや米国で発表されたビリンバウに関する書籍や論文にできる限り目を通してまとめました。穴ボコだらけのようですが、ビリンバウに関して知られているのはまだまだこの程度なんですね。今後の研究成果に期待するしかありません。とはいえ日本語でビリンバウについて書かれたものはほとんど見当たりませんでしたので、読者の皆さんにとってはそれなりにニュースであるだろうと思います。


 第U部の実践編は、これまでカポエイラ・ヴァジアソンのビリンバウの練習でメンバーに配布してきたパターン表を全面的に整理し、必要最低限のものだけを厳選して収録したものです。これが本サイトのメイン・ディッシュです。


 ちなみに本サイトは、「楽譜が読めなくても分かる独習教本」を目指しています。音符もまともに読めない私が、同じようなレベルの仲間にどうしたら正確に説明できるか、どういう表記の仕方が分かりやすいか、いろいろな方法を試し、改良を重ね、いちおう現時点ではこういう形に落ち着いた、という成果です。


 これまで多くのカポエイリスタがビリンバウのリズムの表記方法を工夫してきました。そのうちもっとも正確で世界中の誰が読んでも共通の音を再現できるのは、いうまでもなく音符で表記する方法です。しかしながら私を含めて、楽譜に親しみがもてない人々も少なくなかったようで、それぞれがオリジナルの記号などを考案し、涙ぐましい工夫を重ねてきました。


 本サイトで採用している表記法は、私なりの試行錯誤の現在の到達点で、カポエイラ・ヴァジアソンのレッスンの中でビリンバウを指導する際に使っているものです。それにレッスンの中では口頭で説明していることを、文章にしてくっつけました。できる限り習う側の視点に立って、自分ならどういう説明のされ方が分かりやすいかを常に自問しながら練り上げたつもりです。それが成功したかどうかは、ひとえに皆さんの上達具合にかかっています(笑)。いっしょに頑張りましょう!

カポエイラ・ヴァジアソン
久保原信司

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